ウクレレと不安とわたし
ロックダウンが続いたあとに、わたしは夢を一つかなえることにした。 ここ数年はずっと夏は日本だったけど、今年はコロナで帰国できなかったどこにも行かない夏休みが終わった9月。わたしはウクレレを買った。 「バンドなんて…陽キャのものでしょ」って、いろいろこじらせていたわたしだが、内心はギターが弾ける人にずっと憧れていたのだ。そんな自分の「ギターが弾ける人になりたい」という夢をウクレレでかなえることにした。 なんでギターじゃないの?と思うかもしれないけど、自分の飽きやすい性格をよく知っている。もし、ギターを買って、挫折したら、部屋の片隅に放置して嫌な気分をずっと味わうのが容易に想像できるくらいには大人になっている。ギターは多くて、目に入ると辛いけど、ウクレレなら小さいから放置しても場所はとらない。そんな魂胆もあって、ウクレレにした。 10年以上のこじらせはなんだったんだろう?と思うほど、たった数回のクリックで夢はわたしのものになった。 KALA カラ ウクレレ Satin Mahogany Series マホガニーボディ ソプラノ KA-S (ケース付属) 【国内正規品】 www.amazon.co.jp 11,500 円 (2020年11月29日 08:41時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 9月のある日に、アマゾンから届いた箱は意外に小さくて、あれって思うほど軽かった。 開けてみると、箱の中にはさらに小さく細長い台形の箱があり、その中に無造作な感じでウクレレが入っていた。本体の焼売弁当の醤油入れみたいな形のところは両手を軽く広げ並べたくらいの大きさ。全体の長さはわたしの肩幅よりちょっと広いくらい。赤茶色のマホガニーの板に4本の白い弦がはってある。 多分ここがギターでいうところのネックだろうなっていう部分を片手ですくうように持ち上げてみる。ふわっと軽い。 「なんだ、おもちゃみたいじゃん。これ。」と、つい口に出た。嘘。何も言ってない。ただそう思った。 1万円ちょっとで買ったそれは、アジア雑貨の店やカフェのデコレーションにあるものよりは本物っぽいけど、ギターとか比べるとどうも深刻度がない。でもなんとなく、乱暴に触ったら壊れそうな気がして落ち着かない。 試しにポロンと鳴らしてみたいけど、ギター...