ご自愛する私とブラジャー
買ったブラジャーがことごとく小さく、なんと3枚も無駄にしてしまった。
ブラジャーをつける人が1年に買うブラジャーの枚数の平均値が何枚なのかは知らないけど、私にとってのブラジャー3枚は、1年で買うブラジャーのほぼ総量。それだけのブラジャーを「無」にした。かなり悲しいことだった。
ここ数年、いやでも老いを感じさせられるがっかりな肉体の変化がいくつかあった。シミ・白髪・老眼。
そこに最近、体型の変化というやつが加わった。気づかないうち始まっている寂れた店の閉店セールみたいに、いつの間にか始まっていて終わる気配はない。気付いたら店の中が空っぽになっているように。
その体型変化のせいだと思うんだけど、ブラジャーがキツくなった。やっていない筋トレで胸囲が育ったのか、肉が下がったのかわらかないけど。ただただ下胸がきつい。
最初の失敗ブラジャーはベージュと黒の色違いの2枚だった。
コロナで試着ができなかったので、前に買った安心感から以前に買ったことのあるブランドのものを選んだら、これが失敗。きつい、胴に食い込む。大丈夫だろうと油断してタグを試着前に切ってしまったせいもあり、大きいサイズに交換することもできない。
年齢があがるにつれ、いろんなご自愛が必要になった。鏡の中の自分にふうっとならない程度を保つために時間とケアが必要だ。マッサージ、美容院、ネイルといったところに外注すればいいんだろうけど、人に触られるのも時間がかかるのも、好きじゃない。仕方ない、自分でなんとかするしかない。
最低でも7時間の睡眠がほしい。(できてないけど)毎日1時間くらいの運動。歯磨きとデンタルフロス。そして、趣味の勉強。古臭い価値観をそれなりに更新していくための読書。新しい映画も音楽も知りたい。
もともとあまりしていないから美容まわりはかなり端折っているけど、それでも24時間の半分が終わるくらいの時間がかかる。
これは全部自分1人だけの、誰に見せるでもない、ルーティンの時間。自己満足。とすると、1日の半分以上は自分の自分による自分のための時間ということになる。ご自愛の時間。
残りの時間に仕事と生活を無理やり詰め込んでいる。
この時間が好きで大切にしてるんです!という気持ちは全くない。だけど、このご自愛の時間を削るとてきめんにいろんなことがダメになるから仕方ない。機嫌だって悪くなる。夜更かしは次の日のエネルギーを前借りしてるだけなので、寝不足だと2日しんどくなる。
歯磨きを油断して、その後に歯医者で数万円溶けた経験もした。運動しないと寝付きが悪い。
これからはもう、ご自愛しまくって生きていくしかないのだ。
ありがたいことに、少し先をゆく女の先輩たちが加齢で起こる変化をいろいろと教えてくれている。白髪とOVI脱毛の関係。変化する体型でも好きな服を着つづける方法。シミと化粧品とレーザー照射のバランス。更年期etc。
ブラジャーの話に戻る。
ファッション賢者の大草直子さんがどこかで、年齢が上がるに合わせて服のサイズをワンサイズあげたと書かれていた。体重がかわらなくても体型がかわるからって。
私には下着のサイズを1つあげるべき時がきたみたいだ。
ものに自分を合わせるのでなく、ものを自分にに合わせる時が来てるってことでいいですね。「この高級ブラジャーに、胸周りの肉を押し込み続ければ、胸の形はかわるんです!」と白手袋のお姉さんに力説された日々を超え、今度はノンワイヤーのブラジャーが私の肉に合わせればいい。ワイヤーを気にして手洗いしていた日々にお疲れといいながら、明るいキレイな色の柔らかい下着を買おう。
そんなことを思いながら、街に出るといつの間にかノンワイヤーのいい感じなブラジャーがイタリアでは主流になっている。「あれ?ワイヤーって、やっぱりみんな痛かったの?だよねー」って思いながら、下着屋をめぐっている。
そんなわけで、今日も1人でのびのびとご自愛の時間をすごしている。毎日、機嫌はよい。
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